その罰を受けるひとへのはなむけに燃える条項つくるわたくし
ニュースを見た寄目の象が押しかけるビルの五階に勤めています
書面にはできませんから口頭でキャベツのスカートめくってください
わたくしが検索するたびあたらしい国境線が引かれると知る
ももいろに決めていい、と思う、けど、と頷いた首が傾いている
めんどいと言った数だけせんべいを齧るサルトルの告げる三時
ストレスチェックの結果は法律にもとづきヤギがほにゃららします
免職▼停職▼減給▼戒告▼ステッキを振るキキ☆ララに聞く
これからの正社員を代表しどちらでもないに丸をつけます!
英文のメールが届くグローバル人材としてはスパムへうつす
三杯目の紅茶がもたらす不気味数字のならび端からなぞる
誰?とも聞かれず法令遵守のパスワード述べるともう切れている
iPhoneからの着信だと思いパスワード述べるともう切れている
文字たちをやさしくならべA4のおもての上の人質にする
少し先の未来を想う あの人が返信できない通知を送る
最後の余白 フリクションペンで書くほとんど祈りのような回文
えらい人が書いたふうのお手紙の返事はわたしのポストにつもる
えらい人が書いたふうのお手紙を書いた人からわたしがもらう
神さまへいまあなたの真っ向にわたしのいないこの印を押す
まず結果から申しますとみずうみはすんでのところで満ちております
いつの日か決定事項が風邪をひくこともあるだろう歯をみがいて待つ
マイナスの世界で全部よみがえるインクのようだ ふと受け止める
振り向くとパソコン見入る同僚の背中もくるりのこのタイミング
わかったと十回言った引き継ぎのプリントのすみで踊るヤギさん
お父さんニアイーコール部課長の家から届く家電で暮らす
それぞれにちがうニュースを見てるけど昼ごはんより続き合いの午後
まだ買えるパンの予感にくっついて三、二、青できゃっきゃ走りだす
受信箱につもるメールを振り分ける飲もう食べよう走ろう旅行
土曜日の朝はみどりの自転車で昨日のわたし追い抜いてゆく
ひきだしに眠るどんぐり芽を吹いてギガテラペタへ伸びる伸びる伸びろ
吉田 七
吉田 七
0 件のコメント:
コメントを投稿